Real-life validation of the Panbio™ COVID-19 antigen rapid test (Abbott) in community-dwelling subjects with symptoms of potential SARS-CoV-2 infection
EClinicalMedicine. 2021 Jan;31:100677. doi: 10.1016/j.eclinm.2020.100677.
Epub 2020 Dec 5.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33521610/
現在、当院救急外来をはじめ、COVID-19感染症を疑い、迅速な検査を要すると判断した場合は抗原定量検査を行っております。実際この検査の導入で診断までのスピードが格段に上がり、陰性だと判断した場合のその後の検査やオペなどへの移行がスムーズになり、無駄がなくなったと感じています。
この論文でも検査の感度特異度ともに、PCR検査と比較して遜色ない結果であり、3次救急病院としては抗原定量検査を施行できることは、病院としての機能を果たすために重要だと思っております。
病院としては、COVID-19罹患者か不明なまま、オペやその他の検査を行うのは、医療者の罹患リスクが高くなることは看過できる状況ではないですし、まただからと言って緊急性の高い患者さん(緊急オペが必要など)のPCR検査が出るまで数時間待機する猶予がない場合は、治療の遅れとなってしまいます。時と場合にはよりますが、抗原検査の導入は医療従事者の保護、患者さんに対する治療の質の向上共に改善していると考えています。
まだまだ試行錯誤の現状ではありますし、やっとワクチン接種が始まりました。
ここではワクチンの良し悪しについては言及いたしませんが、早く通常通りの日々が戻ることを切に願っております。
mRNA-1273 ワクチンは重症化を含む Covid-19 疾病の予防に 94.1%の有効性を示し,一過性の局所的および全身的な反応を除いて、安全性に関する懸念は認めなかった
COVID-19は季節性インフルエンザとに比べて、呼吸器毒性が強く呼吸器合併症が多くなり、死亡率が高い可能性がある
Background: RT-qPCR is the reference test for identification of active SARS-CoV-2 infection, but is associated with diagnostic delay. Antigen detection assays can generate results within 20 min and outside of laboratory settings. Yet, their diagnostic test performance in real life settings has not been determined.
Methods: The diagnostic value of the Panbio™ COVID-19 Ag Rapid Test (Abbott), was determined in comparison to RT-qPCR (Seegene Allplex) in community-dwelling mildly symptomatic subjects in a medium (Utrecht, the Netherlands) and high endemic area (Aruba), using two concurrently obtained nasopharyngeal swabs.Findings: 1367 and 208 subjects were enrolled in Utrecht and Aruba, respectively. SARS-CoV-2 prevalence, based on RT-qPCR, was 10.2% (n = 139) and 30.3% (n = 63) in Utrecht and Aruba respectively. Specificity of the Panbio™ COVID-19 Ag Rapid Test was 100% (95%CI: 99.7-100%) in both settings. Test sensitivity was 72.6% (95%CI: 64.5-79.9%) in the Netherlands and 81.0% (95% CI: 69.0-89.8%) in Aruba. Probability of false negative results was associated with RT-qPCR Ct-values, but not with duration of symptoms. Restricting RT-qPCR test positivity to Ct-values <32 yielded test sensitivities of 95.2% (95%CI: 89.3-98.5%) in Utrecht and 98.0% (95%CI: 89.2-99.95%) in Aruba.
Interpretation: In community-dwelling subjects with mild respiratory symptoms the Panbio™ COVID-19 Ag Rapid Test had 100% specificity, and a sensitivity above 95% for nasopharyngeal samples when using Ct-values <32 cycles as cut-off for RT-qPCR test positivity. Considering short turnaround times, user friendliness, low costs and opportunities for decentralized testing, this test can improve our efforts to control transmission of SARS-CoV-2.
背景:RT-qPCRは、活動性SARS-CoV-2感染の診断のための検査であるが、診断に時間を要する。抗原検査は、20分以内に結果を得ることができ、検査室の運営時間外でも結果を得ることができる。しかし、実臨床での診断としての性能は明らかにされていない。
方法:Panbio™ COVID-19 Ag Rapid Test(アボット社)の診断値は、オランダのユトレヒトとアルバに住む軽度の症状のある地域住民を対象に、同時に採取した 2 つの鼻咽頭スワブを用いて、RT-qPCR(Seegene Allplex)と比較することで決定した。
結果:ユトレヒトでは1367人、アルバでは208人の被験者が登録された。RT-qPCR に基づく SARS-CoV-2 有病率は、ユトレヒトで 10.2%(n = 139)、アルバで 30.3%(n = 63)であった。Panbio™ COVID-19 Ag迅速検査の特異度は、いずれの設定においても100%(95%CI:99.7-100%)であった。検査感度はオランダで72.6%(95%CI:64.5-79.9%)、アルバで81.0%(95%CI:69.0-89.8%)であった。偽陰性の確率はRT-qPCRのCt値と関連していたが、症状の持続期間とは関連していなかった。RT-qPCR検査の陽性基準をCt値<32に制限すると、ユトレヒトでは95.2%(95%CI:89.3-98.5%)、アルバでは98.0%(95%CI:89.2-99.95%)の検査感度が得られた。
解釈:軽度の呼吸器症状を持つ地域住民の被験者において、Panbio™ COVID-19 Ag迅速検査は、RT-qPCR検査陽性率のカットオフとしてCt値<32を使用した場合、鼻咽頭サンプルに対して100%の特異度と95%を超える感度を有していた。短いターンアラウンドタイム、使いやすさ、低コスト、分散型検査の機会を考慮すると、この検査は SARS-CoV-2 の感染制御の一助となる。
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